実録!拉致現場に遭遇!目撃者が語る恐怖


それは、何気ない日常を切り裂くような出来事だった。
現場を目の当たりにした男性が当時の状況を語った。
「次の電柱、左側にあるんですけどその前ですね。」
彼は通勤のために毎日通るこの道で、ある事件に遭遇した。
「この辺は人気がないということもあり、どうなっていたかと思うとぞっとしますね。」
穏やかな日常が脅かされたとき、あなたならどうしますか?

千葉県市原市。
郊外に犬1匹と暮らす、内能美義幸さん(当時52歳)。
彼の朝は6時に始まる。
愛犬に朝食をやり、いつもの身支度をいつも通りに済ませる。
毎朝きっかり7時、家の鍵を閉める。
就職して30年。
やるべきことを淡々と、どこまでも真面目な性分。
通勤路もいつもの決まった道しか選ばない。

自宅を出て5分後、付近の住人しか知らないような抜け道を通る時、地元の中学校に通う1人の生徒とすれ違う。
早朝、この道を通るのはこの2人だけ。
特に挨拶を交わすこともなく、すれ違う。
これが毎朝7時5分の風景。

しかし、週5日通勤する内、ゴミ出しの日が2回。
その時は、ルートが少し変わるのだという。
いつもだと、家を出て5分後、中学生とすれ違う。
しかし、丁寧にゴミをまとめるため、ゴミの日は決まって5分遅く自宅を出発。
さらに、ゴミ捨て場に寄るため、少し遠回り。
いつもの道に差し掛かる時には、7時10分を過ぎ、中学生とすれ違うことはない。
それがゴミ出しの日のスケジュールだった。

しかし、その日は…
いつもの道にさしかかろうとした時、見知らぬ車が1台止まっていた。
さらに、見覚えのある自転車が道端に倒れていた。
「接触事故でもあったのか?」
そう思った次の瞬間!
見知らぬ車から、少女の足が飛び出しているのが目に入ったのだ!

時は10分前に遡る。
その日も、中学生はいつも通りこの道を走っていた。
唯一違うのは、いつもは見かけない車が止まっていたこと。
車2台がすれ違うのがやっとという細い道で、その車が発進し、後ろから中学生に接近。
道を譲ろうと、彼女は自転車を止めた。
すると…男は突然、少女に襲いかかってきた!
実は、この男は別の少女への暴行容疑で指名手配中の人物だった。
さらに、覚醒剤の使用で何度も逮捕歴があり、欲望を満たすためなら何をしでかすかわからない危険な男。

犯人は用意していた結束バンドで、少女の手足を縛ると、車に閉じ込めた。
男が運転席にまわっている隙に、少女は何とか車のロックを開け、外に出た。
しかし、男に気付かれてしまった!
もはや絶体絶命!
その時、現場に現れたもう1台の車。
乗っていたのは、内能美さんだった。
すぐにただ事ではないことに気づいたものの…内能美さんは動くことができなかった。

大きな波風を立てぬよう、規則正しく、30年も同じ生活をこなしてきた彼は、真面目でおとなしい性格。
長い人生の中で、声を荒げたことすら1度もないという。
助けようと思うものの…犯人がどんな凶器を持っている分からない。
この時間、他に誰も通らない。
もし、下手に助けに入り、自分が倒されてしまえば、彼女が助かる可能性はゼロになってしまうかもしれない。
警察に通報しても、到着まで時間がかかる。
そして…内能美さんは思い切りクラクションを鳴らした!

平穏な人生で初めて直面した非常事態。
内能美さんにできる精一杯の行動。
それが、クラクションを鳴らすことだったのだ。
すると、犯人は車に乗り込み急発進!
その先には少女が倒れている!
犯人はそのまま逃走。
少女は間一髪、車をかわしていた。

連れ去られる寸前だった少女は、こうして無事に保護された。
連絡を受けた警察と母親が現場に駆けつけると、少女は号泣。
この日がもし、ゴミの日ではなかったら…
もし内能美さんがゴミ出しをサボってしまうようなこともある人だったら…
いつも通りに家を出て、すれ違ったあとに犯行がおきていたかもしれない。

内能美さんはこう話してくれた。
「私が着いてから30秒くらいで犯人は立ち去っているんですね。その時はそうは感じなかったんですけど、まぁ後になって考えてみれば、犯人って凶器とか持ってるかもしれなかったので、だからどうなってたかと思うとぞっとしますね。」

逃走した犯人は翌日の夕方、現場から9キロ離れた公園で逮捕された。
このスピード逮捕の裏にも、内能美さんの几帳面さが大きく貢献していた。
実は、内能美さんは車にドライブレコーダーを搭載。
その映像が証拠となり、逮捕につながったという。
万が一に備えての内能美さんの真面目な性格が功を奏した。

後日、中学生が両親とともに、内能美さん宅を訪れた際、2人は同じ中学の吹奏楽部。
つまり、先輩後輩の間柄だったことも判明した。
ただすれ違うだけの関係だった2人には、思わぬ共通点があったのだ。

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